過労死Pの連日定時帰り

ニコニコ動画のブロマガから締め出されてきました。

催眠術グランプリで優勝した話

ちょっと前(2019年9月)に催眠術グランプリに参加して、優勝しました
 ので、それについて記事にしようと思います。過去にツイッターに投稿したものの再まとめです。
 
 2019年9月に日本催眠術協会が主催する「第1回 催眠術グランプリ」が開催されました。
 日本催眠術協会という団体は、メディアの露出が多い人でいうと金髪ロン毛で和服が普段着で「はぁ゛ーい!」の掛け声が有名な川上剛史さんが所属する団体です。


このサムネの右の人が川上剛史さん。

 そんな人たちが主催となって催眠術グランプリなるものを開催するということで、催眠術をたしなむ程度には身につけていた私も腕試しのつもりで参加することにしました。

 ただまぁ、過労死Pという名前で参加するにはさすがに場違いなので別の名義での参加でした。
 結果。


 優勝しました

 催眠術グランプリという名にふさわしく、総出場者も全5名という大激戦区でしたがなんと優勝してしまいました。ひっそりと腕を磨いていた甲斐があったぜ。
 ……という自慢話がてら当時の演目などを紹介しようと思います。

 優勝者のパフォーマンスはコチラです! と紹介できればいいのですが、催眠術に掛かってくれた人の動画掲載の許可も得ていないのでお見せすることができません。手元にデータはありますが。しょうがないのでテキストベースで説明していきます。


 催眠術グランプリの会場は定員40人ぐらいの居酒屋さん。もともと日本催眠術協会が定期的に催眠術オフ会を開催している会場で、グランプリという仰々しい名称がついていますが、実態としては普段のオフ会のテーマが「催眠術グランプリ」になったというイメージ。私は普段のオフ会の方にも参加したことなかったので完全に初見さんでした。

 催眠術師として参加したのは上記の通り私を含めて全5名。ギャラリーは20人ちょっとぐらいだったかな。自分以外の4人のうち2人はお会いしたことのある方だったのでなんとか会話に混ざることができました。
 会場自体はテーブル席と座敷席のあるフツーの居酒屋なので、出場者の5人は同じテーブル席に着席して、そちらはどんな演目をやるんですか?と、腹の探り合いをしておりました。

 というのも、この大会のレギュレーションは、「一人の持ち時間が10分」「採点の基準は審査員の感動値が高いものが評価される」「独自の手法を使ったアッと驚かせるような催眠の技をお待ちしております」というもので、10分という持ち時間の短さとフワッとした評価基準に出場者がみな頭を悩ませておりました。
 出場者の公平を期すために、催眠術に掛かる人の選出はギャラリーの中から希望者1名をくじで選び、イスに座らせたところから10分間の計測開始というルールだったので、事前情報ほぼゼロで本番スタートとなる点もシビアさを増す要因となっていました。
 持ち時間にしても10分はかなり短いです。一般的に催眠術は掛け始めの部分が一番難しいのでそこに10分ぐらい使いたい部分ですから、まあ短い短い。仮に5分追加されて持ち時間15分あれば超ゆとりがあるのですが。
 そして私の催眠術の目標は幻覚催眠で二次元の世界とふれあうことです。幻覚暗示は催眠に深く入ってもらわないと成功しにくい[要出典]大ワザなので、短時間でそこまで持っていかないといけないという制約もありました。

 それを満たすように前日まで台本を調整していたので、そちらを紹介しつつお話しします。
 制限時間10分をクリアしつつ幻覚催眠を披露するためのタイムスケジュールを考えます。

 0:00-1:00 自己紹介と前説。
 1:00-2:30 浅い催眠術(運動支配)
 2:30-4:00 中くらいの催眠術(感覚支配)
 4:00-7:00 深い催眠術(記憶支配)
 7:00-8:30 幻覚催眠で幻覚とふれあう時間
 8:30-10:00 (段取りがうまくいかなかったときのマージン)

 幻覚暗示を入れ終えて現象を起こすまでに7分が目標です。それでいて幻覚暗示を確実に入れるためには運動支配→感覚支配→記憶支配というステップアップは必須なので、そのステップアップをいかに時短していくかが重要な部分でした。
 幻覚暗示を入れるための長ったらしい暗示文もあるのですが時間の制約上使えるわけもないので、「自分の名前が別の名前に入れ替わる催眠術」に掛かる人は短い暗示文で幻覚暗示が入りやすいという経験則をもとに記憶支配の成功率を上げる方法を探します。
 自分の名前を忘れさせる暗示の手法として、ホワイトボードを頭の中にイメージさせ、そこに記入した自分の名前を消すことで記憶からも消えると連想してもらうテクニックがあります。幻覚を「見る」こととホワイトボードを「見る」ことでイメージの統一ができそうだと気づき、「視界」にまつわる催眠暗示にテーマを絞って催眠の効き目の向上を狙います。

 視界にまつわる運動支配といえば「まぶたが閉じて開けられなくなる催眠術」があるのでそれを採用します。オタク系催眠術師を自称しているのでウルトラオレンジを注目光のペンライトの代わりに使うことにします。キャラ立ちもするし、光量が十分あるので目がくらんで閉眼状態に持っていきやすいので一石二鳥です。
 感情支配の内容は「光っているサイリュームを"見る"と笑ってしまう催眠術」にします。視界テーマも満たしているし、閉眼催眠からスムーズに別の催眠術に移行できるためとても時短になります。
 本来であれば運動支配と感情支配をそれぞれ2つずつやりたいところなのだけど、時間がないので上記の1つずつで記憶支配に進むことにします。

 記憶支配の成功率を上げるために、小ワザを二つ挟みます。
 感覚支配の笑い催眠のあとに「笑って疲れましたね。いったん深呼吸しましょう。目を閉じてもいいですよ」と深呼吸させて目を閉じてもらいます。閉じた瞬間に「催眠術師の前で目を閉じるともう開けられなくなりますよ」とふいうち気味に閉眼暗示を入れます。
 催眠術師というワードを強調することで威光効果を高める狙いと、予期せぬタイミングの閉眼暗示で視界を奪われると心が動揺するので、その動揺に乗っかって催眠状態を深くさせる暗示を入れていきます。

 その後、ホワイトボードに絡めた名前の健忘暗示を入れて、記憶支配の領域に進みます。
 パフォーマンス当日は一度の暗示ではまだ名前の記憶が残っているようだったので、「名前の記憶は頭の中のどのあたりにありますか?」とおでこの前や後頭部のあたりに手をかざして記憶の場所のイメージをしてもらいました。記憶のイメージはおでこの方にあるとのことだったので、そちら周辺にすこし意識を向けてもらい、その空間をつかむような動作をして「その記憶をお預かりさせてもらいます」と健忘暗示を重ね掛けしました。
 名前の健忘に成功したら、次は別の名前を教え込む催眠を施します。普段は「浅利七海」をよく使うのですが、知名度の高い名前として「野比のび太」の名前を教え込みました。
 名前の入れ替えの催眠術はギャラリーにも催眠術の不思議さを伝播させることができます。「野比のび太さん、子供のころにはなにかあだ名とかありましたか?」という質問をします。名前の入れ替え催眠がしっかり入っていれば、催眠術に掛かっている人はその場で、ないはずのエピソードを語りだします。例えば「子供のころはノビちゃんと呼ばれていました」というふうに。

 名前の入れ替えが違和感なく起こっているようであれば、幻覚暗示の暗示文は「3つ数えると目の前にあなたの会いたい人が現れます」という一言で成功しやすいです。
 催眠に掛かっている人に誰が見えているか聞いてみると、「子供のころにテレビで見ていたガッチャマンが立っている」とのこと。幻覚催眠まで持っていけたことに内心大きく安堵していました。
 当日この幻覚暗示を入れた時間が7分10秒。だいぶアップテンポで進めてほぼほぼオンスケという綱渡り状態でした。

 さて、幻覚まで見せられたのならあとはこっちのモンですガッチャマンタツノコのヒーローであることは知っていたので、ヒーローショー風なやりとりをさせればよいだろうと判断し、「ガッチャマンがあなたの手を握って握手をしてくれます」「子供のころに応援してくれていたことについて、感謝の言葉みたいなものを言ってくれます」「あなたからガッチャマンに伝えたいことなどありますか」と幻覚に現れたヒーローとふれあってもらうことにしました。
 ヒーローに退場してもらう場面まで幻覚暗示を入れて、その時点で9分10秒。最後に催眠術を解いて、普段通りの居酒屋に戻ってきたことを確認してもらい、私の催眠術パフォーマンスが終了しました。持ち時間10分のうち9分40秒ぐらいまでしっかり使い切って、2分程度の幻覚との交流ができたのでほぼ理想形の演目となりました。

 この大会のレギュレーションでは「独自の手法」を求められていたのですが、私の行った催眠術にはあまり独自の手法はありません。強いて言えばテーマを「視界」で統一したことと、幻覚暗示のふれあいのテンポがよかったことは独自色に挙げられるかも知れませんが……。
 手ごたえとしては悪くはないけどサイコーでもないなぁというぐらいだったので、優勝には遠いかなと思っていましたが、なんと優勝してしまいました。やったぜ。
 審査員の講評は「催眠術ショウとしてよくまとまっていた」「声を張っていて聞き取りやすかったよ」とのこと。審査員の感動度が高かったようです。……独自の手法の採点は?

 演目終えてからの自己評価としては、持ち時間10分という短さの中で、一ヶ所でもつまづいたら幻覚暗示まで持っていけなくなる攻めチャートを組んできっちりやり通した部分がよかったのかなと。
 あとで動画を見返してみるとだいぶ全体的に大焦りで早口だったので、よくそのペースに催眠術に掛かってくれる人がついてきてくれたなぁと思います。運にも恵まれました。
 〆切があるから作品が生まれるんだとはよく言ったもので、今回催眠術グランプリに参加したことで10分で幻覚暗示まで持っていく技術を身につけられたように思います。今後どこかで披露できることがあれば活用できそうです。

 第二回催眠術グランプリも開催予定(日時未定)とのことで、そちらにも参加して二連覇目指したいですね。
 以上、催眠術グランプリで優勝した話でした。



 と、まぁ。今年のシンデレラガールズの総選挙とボイス選挙の期間中にアイマスPオフ会でこのような催眠術と幻覚暗示のお披露目をして担当アイドルとふれあってもらって、そのおヒネリとして投票券を頂戴しようと計画していたのですが、例のコロなんちゃらによってその計画が阻まれてしまいました。
 カラオケ屋の個室に数人が集まって近距離で会話することが許されるような時期になりましたら、ツイッターなどでひっそりオフ会の募集をすると思いますので、興味ある方いましたらうまく見つけてください。もし他の方が主催するオフ会で余興なんかが必要でしたらお声がけくださいませ。